ボクシングの日本チャンピオンを目指して
以前大きな夢を持ち、弊社で働いていた派遣社員がいた。
面接に来たときは優しそうな感じの青年だった。
東北の私立大学を出て、某運送会社のシステムエンジニアとして2年ほど配達システム作成をし、ある目的のために会社を辞めたと面接の際に話してくれた 。
目的とはなんとバンタム級の4回戦卒業して8回戦に挑戦するというものだった。
そのために夜にジムに通いたい、派遣の仕事も8時~5時に終わる残業の無い仕事をお願いしたいと難しい条件だった。
ただ難しい条件ではあったものの、品川にある下水道局メンテナンスの仕事が8時~5時の仕事という事で、早速面接を受けることになった。
仕事を受けている会社の所長と、面接の際すべての事情話したら、ジムに通うことで仕事に支障なければ問題ない、挑戦しなさいと応援をしてくださり、無事に派遣先を決めることができた。
彼は仕事終わりに毎日ジムに通い、8回戦に5回挑戦し2勝3敗と振るわず、2年目の最後の試合で引退した。
その際、当社も2年目で退社した。
あとで分かった話だが、所長は自分のポケットマネーで彼の試合のチケットを買い、家族はもちろん友人、会社の同僚を招待してくれ応援してくれたらしい 。
その後、彼は当社辞めて不動産に入り 、もち前のガッツで2年目には賃貸物件の清掃の仕事で独立して活躍している 。